KDDIは、NTTドコモとソフトバンクが既に発表している新プラン「ahamo」「SoftBank on LINE」と既存料金プランの値下げに対抗する新料金プランを発表しました。
その新料金プランは、ユーザーの利用形態に合わせた3新料金から提供されます。
- オンライン専用新料金「povo」(ポヴォ)
2021年3月開始予定 - 小中容量新料金「UQモバイル」
2021年2月開始予定 - 大容量新料金「使い放題MAX 5G/4G」
2021年3月開始予定
この記事では、KDDIの新料金プランの詳細と既存プランとの比較を徹底解説し、ようやく大手キャリア各社の料金プランが出揃いましたので、ドコモ・ソフトバンクとの新料金プランと各社プランのメリット・デメリットなどを比較しながら合わせて解説します。
ソフトバンクの新料金プランの詳細はこの記事を参考にしてください。
ドコモの新料金プランの詳細はこの記事を参考にしてください。
この記事内の金額は、すべて税抜価格となります。
KDDIの新料金プランの詳細とドコモ・ソフトバンクとの徹底比較
povo(オンライン専用新料金)
KDDIは、auのオンライン専用の新ブランド「povo」(ポヴォ)を立ち上げ、データ容量20GBで月額2,480円の新料金プランの提供すると発表し、2021年3月よりサービス開始します。
povoは、すべての手続きを専用サイトからのオンラインで完結させることで、リーズナブルな価格を実現しています。(近日中にeSIMにも対応予定です。)
これは、ドコモの「ahamo」とソフトバンクの「SoftBank on LINE」と同じコンセプトです。
また、povoは、シンプルで柔軟性の高いプラン設計ができることもコンセプトとしており、月額2,480円で使えるデータ容量20GBに加えて、オンラインで自由に選択可能な、さまざまなサービスが追加できる「トッピング」を用意しています。
今回紹介されたトッピングは、下記の通りで、いわゆる追加オプションが月単位でなく、利用した時に1日単位でも追加できるようになります。
特に「データ使い放題24時間」のトッピングは、200円で24時間無制限になるのは、かなり割安で使い勝手のいいサービスです。
今後、YouTubeや動画サイトなどに接続する際のデータ容量が安価になるなどのトッピングも出てくるようで期待したいところです。
- 5分以内通話かけ放題(500円/月)
- データ使い放題24時間 (200円/24時間)
各社気になる料金比較ですが、auの「povo」は、ドコモの「ahamo」とソフトバンクの「SoftBank on LINE」の月額料金2,980円・20GBプランよりも500円安くなっていますが、これは「5分通話無料かけ放題」(別途500円/月)の有無の違いで、povoにこの通話オプション(トッピング)を付加すると、実質3社横並びの料金体系となります。
通話オプションが必要な方は、どのキャリアでも基本料金は同じですが、通話はLINEのみという方は、通話無料がオプションとなっているpovoの方が月額500円を安く済ませることができます。
また、通話オプションが必要な方は、3社いずれも月額2,980円となりますが、SoftBank on LINEは、LINEがデータフリーとなるため、LINEをよく利用される方はおすすめとなります。
プラン名 | KDDI | ソフトバンク | ドコモ |
povo | SoftBank on LINE | ahamo | |
月額料金 | 2,480円 | 2,980円 | 2,980円 |
データ通信容量 | 20GB/月 | 20GB/月 | 20GB/月 |
LINEデータ容量 | ― | ノーカウント | ― |
超過時通信速度 | 最大1Mbps | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
ネットワーク | 4G/5G | 4G/5G | 4G/5G |
通話料 | 20円/30秒 | 20円/30秒 | 20円/30秒 |
5分通話無料オプション | 500円/月 | 無料 | 無料 |
かけ放題無料オプション | +1,500円/月 | +1,000円/月 | +1,000円/月 |
その他に、テザリングは、追加料金なしで利用でき、海外ローミングについては現在検討中です。キャリアメールは非対応になります。
UQモバイル(小中容量新料金)
新たに発表されたプランは、2021年2月から提供される「くりこしプランS・M・L」の3プランとなります。5Gも同一料金で利用できますが、利用開始は今夏予定となります。
また、2021年2月に提供を開始すると予定だった「スマホプランV」(3,980円/月)は「くりこしプランL」と改称して提供されることになります。
新料金プラン「くりこしプランS・M・L」は、現行のスマホプランとの比較では、月額料金を500円安くすることで、従来の家族割やギガMAX月割の割引適用を廃止し、1人でも同じ料金プランで申し込むことができるようにしています。
そして、従来より、余ったデータ量は翌月まで繰り越すことができます。
「ひとりでも、ずーーーっとおトク!余ったデータもくりこせる」をUQモバイルのコンセプトとしています。
また、「povo」と「くりこしプランM」を比較すると、月額料金は同一ですが、データ容量は、povoの方が5GB多くなっています。
「くりこしL」との比較では、月額料金は、povoよりも1,000円高くなりますが、データ通信容量は5GB多く「くりこしプランM・L」ともに余ったデータ量は翌月まで繰り越すことができます。
それと、従来のスマホプランと同様に「通話オプション(別途有料)」は、月額料金とは別になっているので、通話の少ない・必要ない方は、その分月額料金が安くなります。
その他、povoとUQモバイルの差は、auと同様に、店舗・ショップでのサポートを受けることができ、そのサービス差がコストにも出てきています。
新プラン | ||||
プラン名 | くりこし プランS | くりこし プランM | くりこし プランL | povo |
月額料金 | 1,480円 | 2,480円 | 3,480円 | 2,480円 |
-家族割orギガMAX月割 | 適用なし | 適用なし | ||
データ通信容量 | 3GB/月 | 15GB/月 | 25GB/月 | 20GB/月 |
超過時通信速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | ||
通話料 | 20円/30秒 | |||
通話(60分無料/月) | 500円 | ― | ||
通話(5分無料/回) | ― | 500円 | ||
通話(10分無料/回) | 700円 | ― | ||
通話(かけ放題) | 1,700円 | 1,500円 |
従来の「節約モード」は利用可能です。高速通信を必要としないときに「節約モード」に切り替えられることで、データ通信容量を消費せずに節約することができます。
節約モード時の通信速度は「くりこしプランS」で最大300Kbps「くりこしプランM・L」で最大1Mbpsとなります。
現行プラン | |||
プラン名 | スマホプランS | スマホプランR | スマホプランV |
月額利用料 | 1,980円 | 2,980円 | 3,980円 |
-家族割orギガMAX月割 | -500円/月 | ||
月額利用料(適用後) | 1,480円 | 2,480円 | 3,480円 |
データ通信容量 | 3GB/月 | 10GB/月 | 20GB/月 |
+増量(1年無料) | +1GB/月 | +2GB/月 | 未定 |
超過時通信速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | |
通話料 | 20円/30秒 | ||
通話(60分無料/月) | +500円/月 | ||
通話(10分無料/回) | +700円/月 | ||
通話(かけ放題) | +1,700円/月 |
現行のUQモバイルのメリット・デメリットの詳細は、この記事を参考にしてください。
ワイモバイルの新料金プランとの比較では、ワイモバイルは、家族割やおうち割の割引適用が継続し、その適用後の月額料金は同じになります。割引適用を受けれない場合は、UQモバイルが500円安くなります。
また、ワイモバイルの「シンプルM・L」よりも、UQモバイルの「くりこしプランM・L」のデータ容量がプラス5GB多く、さらに、翌月まで繰り越しができます。ワイモバイルは繰り越しできません。
【参考】ワイモバイル新プラン | ||||
プラン名 | シンプルS | シンプルM | シンプルL | SoftBank on LINE |
月額料金 | 1,980円 | 2,980円 | 3,780円 | 2,980円 |
-家族割orおうち割 | -500円 | 適用なし | ||
月額料金(割引後) | 1,480円 | 2,480円 | 3,280円 | 2,980円 |
データ通信容量 | 3GB/月 | 10GB/月 | 20GB/月 | 20GB/月 |
超過時通信速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | ||
通話料 | 20円/30秒 | |||
通話(10分無料/回) | 700円 | 無料(5分/回) | ||
通話(かけ放題) | 1,000円 |
使い放題MAX 5G/4G(大容量新料金)
au本体は「使い放題MAX5G/4G」が発表され、5G・4Gも同一料金で提供されます。
データ使い放題で月額6,580円で、こちらも引き続き家族割プラス・auスマートバリューが適用できます。
また、ドコモ「5Gギガホ プレミア」とソフトバンクの「メイハリ無制限」と比較すると、ドコモはdカードお支払割適用後料金で、3キャリアともに、5Gで月額最安で4,480円の同一料金となり、足並みを揃えたところです。
ただ、楽天モバイルの「RakutenUN-LIMIT V」月2,980円・無制限までには到達していないところです。楽天モバイルも今年夏までには、人口カバー率96%となる予定ですが、今後のサービスエリア拡大がキーになるところです。
キャリア名 | KDDI | ソフトバンク | ドコモ | |||
プラン名 | 使い放題 MAX5G | データ MAX5G | メリハリ 無制限 | メイハリ PLAN(5G) | 5Gギガホ プレミア | 5Gギガホ |
月額料金 | 6,580円 | 8,650円 | 6,580円 | 8,480円 | 6,650円 | 7,650円 |
カード支払割・ 2年定期割 | -100円 | -170円 | ― | ― | -170円 | -170円 |
月額料金(割引適用後) | 6,480円 | 8,480円 | 6,580円 | 8,480円 | 6,480円 | 7,480円 |
自動割(~3GB) | -1,500円 | ‐1,480円 | -1,500円 | -1,500円 | -1,500円 | ― |
月額料金 (~3GB利用時) | 4,980円 | 7,000円 | 5,080円 | 6,980円 | 4,980円 | 7,480円 |
家族割(2人) | -500円 | -500円 | -600円 | -500円 | -500円 | -500円 |
家族割(3人以上) | -1,000円 | -1,000円 | -1,100円 | -1,500円 | -1,000円 | -1,000円 |
家族割(4人以上) | ― | -2,020円 | ― | -2,000円 | ― | ― |
光回線セット割 | -1,000円 | -1,000円 | ― | ― | -1,000円 | -1,000円 |
月額料金 (最大割引適用後) | 4,480円 | 5,460円 | 4,480円 | 5,480円 | 4,480円 | 5,480円 |
利用データ量/月 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 50GB | 無制限 | 60GB |
超過時通信速度 (最大) | ― | ― | ― | 128kbps | ― | 1Mbps |
この記事は、2021年1月13日「KDDI株式会社au新料金プラン発表会」の内容をもとに紹介しています。
今後、HP・報道資料等で詳細が分かり次第、逐次この記事を更新して行きます。
今後の動き
今回、KDDIが最後に切り札を切った形になりましたが、大筋にドコモ・ソフトバンクとほぼ同等のコンセプト、料金プランとなっています。
ただ、細かいところを見て行くと、後出ししたKDDIの方が、以下の点でアドバンテージやおトク感があります。
- オンライン専用
・基本月額2,480円で5分無料通話(500円/月)をオプションとしている。
・200円で24時間無制限のトッピングは便利でおトク感がある。 - 小中容量プラン(サブブランド)
ワイモバイルよりも月額料金が500円安く、くりこしプランM・Lの場合、ワイモバイルよりデータ容量がプラス5GB多い。さらにUQモバイルは余ったデータ量を繰り越しできる。 - 大容量プラン
カード支払割や家族割の割引額の違いがあるものの、最安月額4,480円の同額で差はない。楽天モバイルの「RakutenUN-LIMIT V」月2,980円・無制限までには到達していない。
最後に、KDDIも新料金プランを発表を受けて、今後ドコモ・ソフトバンクともに、このままでは引き下がれないところです。
特に、ドコモの小容量で超低廉な料金のエコノミーが未発表ですし、ワイモバイルの劣勢の巻き返しがあるのか、オンライン専用では、ドコモ・ソフトバンクは、auのトッピングサービスの対抗策はあるのか、大容量では、3キャリアとも最安4,480円で踏みとどまっているが、もう一段の値下げがあるのは、そのあたりが気になるところです。
今後、大手3社に楽天モバイルも含めた群雄割拠で、サービス・値下げ合戦が繰り広げられることを期待しています。
各社の動きがあり次第、逐次更新・解説して行きますので、引き続きよろしくお願いします。
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