ソフトバンクは、NTTドコモが既に発表した新プラン「ahamo(アハモ)」と既存料金プランの値下げに対抗する新料金プランを発表しました。
その新料金プランは、ユーザーの利用形態に合わせた3ブランドから提供されます。
- オンライン専用ブランド「SoftBank on LINE」
2021年3月開始予定 - 小中容量ブランド「ワイモバイル」「ミニフィットPLAN」
2021年2月開始予定 - 大容量ブランド「メリハリ無制限」
2021年3月開始予定
※「ミニフィットPLAN」は変更なし
KDDIも、来年早々に新料金プランの発表する予定で、今後各社さらなる改定も予想されますが、取り急ぎドコモに対抗するプランとして発表されたソフトバンクの3ブランドについて、ドコモや各社既存プランと比較しながら、その新料金プランのメリット・デメリットなどを解説して行きます。
この記事内の金額は、すべて税抜価格となります。
ソフトバンクの新料金プランの詳細とドコモとの徹底比較
SoftBank on LINE(オンライン専用ブランド)
ソフトバンクは、新型コロナウイルスの拡大もあり、オンラインショップでの取扱いが、従来の2倍に増えたことから、そうした環境の変化を踏まえて、オンライン専用の新ブランド「SoftBank on LINE」を立ち上げ、データ容量20GBで月額2980円(税抜)の新料金プランの提供すると発表し、2021年3月よりサービス開始します。
「SoftBank on LINE」は、現在60%出資する傘下の「LINEモバイル」を2021年3月にLINE株式会社とZホールディングス株式会社が経営統合するのに合わせて事業再編して、ソフトバンクの直営ブランドとして提供します。
気になる料金ですが、ドコモの「ahamo」をかなり意識している点は否めず、全く同じの月額料金2,980円・20GBプランとなっています。
唯一違う点は、「LINEアプリ」がデータ容量を消費せずに、使い放題となる「LINE がギガノーカウント」を提供するほか、オンライン専用ブランド(ソフトバンク店舗。ショップのサポートは受けれない)のため、LINEアプリを通じて、種々の手続きができるようサポートするようです。
また、当然5Gをサポートするほか、eSIMにも対応する予定です。
LINEをよく利用するユーザーにとっては、同一プランなら「SoftBank on LINE」がお得ですね。
プラン名 | ソフトバンク | ドコモ |
SoftBank on LINE | ahamo | |
月額料金 | 2,980円 | 2,980円 |
データ通信容量 | 20GB/月 | 20GB/月 |
LINEデータ容量 | ノーカウント | ― |
超過時通信速度 | 最大1Mbps | 最大1Mbps |
ネットワーク | 4G/5G | 4G/5G |
通話料 | 20円/30秒 | 20円/30秒 |
5分通話無料オプション | 無料 | 無料 |
かけ放題無料オプション | +1,000円/月 | +1,000円/月 |
現在のLINEモバイルは「SoftBank on LINE」のサービス提供と同時に新規受付は終了となりますが、既存ユーザーの新サービスへの移行や継続利用については、今後説明して行くとしていますが、新規サービス開始後は「SoftBank on LINE」一本で統一するとのことで、既存ユーザーの取扱いについては情報がわかり次第更新して行きます。
現行のLINEモバイルの料金プラン等の詳細はこの記事を参考にしてください。
ワイモバイル(小中容量ブランド)
Y!mobile シンプルS/M/L
新たに発表されたプランは、2021年2月から提供される「シンプルS・M・L」の3プランとなります。5Gも同一料金で利用できます。
また、2020年12月下旬に提供を開始すると予定だった「シンプル20」(4,480円/月)は「シンプルL」と改称して提供されることになります。
新料金プラン「シンプルS・M・L」は、10分通話無料オプション(700円)が月額料金とは別になり、通話の少ない・必要ないユーザーにとっては、その分月額料金が安くなります。
10分通話無料が必要なユーザーには、シンプルプランにプラス700円することで、月額料金では、シンプルS・Mは、既存スマホベーシックプランと同じで、シンプルLのみ、200円安くなります。
ただし、SoftBank on LINEとシンプルLを比較すると、データ容量は同じ20GBですが、家族割等を適用しても、シンプルLの方が300円高くなっています。(適用しない場合は800円差)
シンプル20がドコモのahamoに撃沈されたのと「SoftBank on LINE」の提供開始に伴い、結果的に「シンプルL」は、微妙な料金改定となっています
ソフトバンクでは、この料金改定は、オンラインのサポートと店舗・ショップでのサポートとのコスト差によるものと説明しています。
また、ワイモバイルは、家族ユーザーが多いため、引き続き家族割・おうち割光セットは継続されますが、わかりやすさを追求し、カタログを見なくても選べる料金に仕立てたというコンセプトから、新規割(6月間700円割引)やデータ増量(1年間)等のキャンペーンは一切なくなるようです。
新プラン | ||||
プラン名 | シンプルS | シンプルM | シンプルL | SoftBank on LINE |
月額料金 | 1,980円 | 2,980円 | 3,780円 | 2,980円 |
-家族割orおうち割 | -500円 | 適用なし | ||
月額料金(割引後) | 1,480円 | 2,480円 | 3,280円 | 2,980円 |
データ通信容量 | 3GB/月 | 10GB/月 | 20GB/月 | 20GB/月 |
超過時通信速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | ||
通話料 | 20円/30秒 | |||
通話(10分無料/回) | +700円 | 無料(5分/回) | ||
通話(かけ放題) | +1,700円 | +1,000円 |
既存プラン | ||||
プラン名 | スマホベーシック プランS | スマホベーシック プランM | スマホベーシック プランR | SoftBank on LINE |
月額料金 | 2,680円 | 3,680円 | 4,680円 | 2,980円 |
-新規割(6月間) | -700円 | 適用なし | ||
-家族割orおうち割 | -500円 | 適用なし | ||
月額料金(割引後)* | 2,180円 | 3,180円 | 4,180円 | 2,980円 |
データ通信容量 | 3GB/月 | 10GB/月 | 14GB/月 | 20GB/月 |
+増量(1年無料) | +1GB/月 | +3GB/月 | 適用なし | |
超過時通信速度 | 最大300kbps | 最大1Mbps | ||
通話料 | 20円/30秒 | |||
通話(10分無料/回) | 無料 | 無料(5分/回) | ||
通話(かけ放題) | +1,000円 |
*7月目以降の月額料金(割引後)
段階制の「ミニフィットPLAN」の変更はありません。
メリハリ無制限(大容量ブランド)
SoftBank メリハリ無制限
ソフトバンク本体は「メリハリ無制限」が発表され、5G・4Gも同一料金で提供されます。
データ使い放題で月額6,580円で、こちらも引き続き家族割・おうち割光セットが適用できます。
また、ドコモの「5Gギガホ プレミア」と比較すると、dカードお支払割適用後料金で、4,480円の同一料金となり、大きな違いは、4Gでも5Gでも同じ料金でデータ使い放題という点ですが、ドコモも5Gと4Gの料金差は、100円なので、アドバンテージとは言えないところです。
キャリア名 | ソフトバンク | ドコモ | ||
プラン名 | メリハリ 無制限 | メイハリ PLAN(5G) | 5Gギガホ プレミア | ギガホ プレミア(4G) |
月額料金 | 6,580円 | 8,480円 | 6,650円 | 6,550円 |
dカードお支払割 | ― | ― | -170円 | -170円 |
月額料金(割引適用後) | 6,580円 | 8,480円 | 6,480円 | 6,380円 |
自動割(~3GB) | -1,500円 | -1,500円 | -1,500円 | -1,500円 |
月額料金(~3GB利用時) | 5,080円 | 6,980円 | 4,980円 | 4,880円 |
家族割(2人) | -600円 | -500円 | -500円 | -500円 |
家族割(3人以上) | -1,100円 | -1,500円 | -1,000円 | -1,000円 |
家族割(4人以上) | ― | -2,000円 | ― | ― |
光回線セット割 | ― | ― | -1,000円 | -1,000円 |
月額料金(最大割引適用後) | 4,480円 | 5,480円 | 4,480円 | 4,380円 |
利用データ量/月 | 無制限 | 50GB | 無制限 | 60GB |
超過時通信速度(最大) | ― | 128kbps | ― | 1Mbps |
2020年12月22日の「ソフトバンク株式会社 新しい料金サービスに関する発表会」の内容をもとに発表内容を紹介しています。
今後、報道資料等で詳細が分かり次第、逐次この記事を更新して行きます。
今後の動き
今回、ソフトバンクがドコモに追随する新料金プランを発表し、キャンペーンなどの割引をなくしたよりわかりやすい料金プランとしていますが、中身は、完全にドコモを意識した内容で、ブランド戦略もほぼ同じで「ahamo」に「SoftBank on LINE」を、「5Gギガホ プレミア」に「メイハリ無制限」をぶつけ、結果的には同等のプランとなっています。
ただ、今回両社とも、ソフトバンクの「ミニフィットPLAN」やドコモの「ギガホライト」などの段階制プランの変更はありませんでしたが、今後、ソフトバンクは、小容量で低廉な料金プランを望む既存のLINEモバイルユーザをどのように取り扱うのか、その受け皿をワイモバイルのシンプルS(3GB)とするのか、さらに、3GB以下のプランの提供も課題になると思われます。
ドコモも小容量で超低廉なプランを近日中に発表するとしていますので、このエコノミープランの発表も気になるところです。
最後に、未発表のauが、ドコモ・ソフトバンクの発表を受けて、どのような戦略、新料金プランを提示して来るか、さらに、群雄割拠で値下げ合戦が繰り広げられることを期待しています。
今後、各社の動きがあり次第、逐次更新・解説して行きますので、引き続きよろしくお願いします。
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