iPhoneの使い始めの頃は、電池も余裕で1日は持っていたのですが、使い続けるにつれて、朝100%の残量が1時間足らずで半減して半日も持たないということがよくあります。これはバッテリーが劣化していることが原因です。
私の場合、iPhone 8を使用して1年足らずでバッテリー容量が82%まで低減し、バッテリーの状態画面上部に「バッテリー関する重要なメッセージ」が表示されました。(あくまでも私見ですが、このメッセージは84%の時は表示されなかったので、82%から表示されるではないかと思います。)
この表示が出てから、朝、フル充電で出かけても午前中には20%を切ることが続いたため、やむなくAppleの正規代理店の「カメラのキタムラ」にバッテリー交換の修理を申し込むことにしました。
iPhone や他のスマートフォンに使われている「リチウムイオンバッテリー」は、充電サイクルが500回を超えてくるとパフォーマンスが低下して不具合が起こりやすくなり、おおよそ毎日充電して繰り返し使っていると約1年半から2年で寿命になると言われています。私の場合は約1年だったので、その原因を調べるにつれて、自身がバッテリーに関して認識不足であったことに気づき、その体験から皆さんにはiPhoneを効率的に使ってほしい思いから今回記事にまとめてみました。
バッテリー劣化の原因とは
バッテリーは、自然に経年劣化して行きますが、使い方や温度変化、充電パターンなどによっては、さらに劣化を早めることになります。
また「リチウムイオンバッテリー」の特性上、経年劣化によりバッテリー内部の電解質が酸化することでガスが発生し、バッテリー自体が膨張してしまうことがあります。バッテリー膨張により液晶や基板などに損傷を与えた場合は、バッテリー交換はできず本体交換となってしまいます。
そのようなムダな出費をしないためにも、iPhoneを正しく使用して、バッテリーの寿命を延ばし、バッテリー膨張をさせないようにして行きましょう。
過充電
容量が100%になっているにも関わらず、ケーブルを挿しっぱなしで充電し続けると、一般的に過充電となり、バッテリーの寿命を縮めるとされています。
しかしながら、現在のスマートフォンのバッテリーは、80%までは早いスピードで充電し、それ以上になると充電スピードが遅くなり、100%に達すると過充電防止装置が作動するため、特に心配はいりません。
そして、iPhoneはiOS13アップデートで、iPhoneの過充電を抑えてバッテリーの寿命を延ばす新機能「最適化されたバッテリー充電」が追加されました。
この機能を有効にすると、毎日の充電の傾向を学習して、iPhone は 80 パーセントまで充電したら、その後の充電を遅らせます。これにより、iPhone はフル充電されたままの時間を極力短くして、バッテリーの劣化を軽減し、寿命を延ばしてくれます。
毎日使い続けることで、朝起きて使い始める時間を学習し、そのタイミングで充電が100%になるように最適化を図りますので、できるだけ設定をONのまま使い続けるようにしてください。
それは、なるべくフル充電またはフル充電に近い状態で放置することがバッテリー劣化につながるからです。
充電中の使用
動画の視聴や高負荷のゲームアプリなどはバッテリーの消耗が早いため、充電しながら使用してしまう人も多いと思いますが、これもバッテリーの寿命を縮めてしまいます。高負荷と充電によってバッテリーが過熱するため、極力充電しながらの使用は避けましょう。
私は、バッテリー劣化とともに、この充電しながらの使用が増え、さらに劣化を進める悪循環となってしまい、1年足らずで交換するはめになってしまいました。
低温・高温環境での使用
基本的にiPhoneは周囲の温度が 0° ~ 35℃ の場所で使用するようになっていますので、低温下や高温下では、温度調整のためにその動作が変化し、これもバッテリーの寿命を縮めることになります。そのため、あまりに寒い環境や熱い環境での使用は避けるべきです。
例えば、夏の暑い時期に車内に置きっ放しにしたり、端末が熱いから保冷剤などで冷やしたりすることも、バッテリーの劣化を早めますので、ご注意ください。
バッテリー特性を活かした充電方法
バッテリー劣化の原因となる使い方をしないことはもちろんですが、リチウムイオン電池の特性を理解した上でiPhoneを使用(充電)すれば、より快適なモバイルライフを送ることができます。
フル充電サイクル
リチウムイオンバッテリーは、繰り返し充電して使えますが、Apple公式サイトでは、500回繰り返し使用することで寿命をむかえるように設計されています。
iPhoneのバッテリーは、フル充電サイクルを500回繰り返した時に、本来の容量の最大80パーセントを維持できるように設計されています。
引用:Apple公式サイト
この500回は充電回数ではなく、フル充電サイクルが500回ということになります。
このサイクルは、バッテリー容量を合計で100%消費するごとに1サイクルとして、合計で500サイクル充電可能ということになります。そして500回繰り返した時点でバッテリー容量を最大80%を維持できるように設計されているということは、バッテリー容量が80%を切った場合には、必要とする電力が十分に供給できなくなることを意味します。
放電深度
放電深度とは、バッテリー容量に対する放電量の比率で、例えば、iPhoneを100%充電して50%使用した場合の放電深度は50%となります。100%から0%まで使えば100%となります。リチウムイオン電池は、この放電深度が大きいほどバッテリーの劣化が進みます。
放電震度 フル充電サイクル 電池使用量 100% 300~500回 300 – 500 50% 1,200~1,500回 600 – 750 25% 2,000~2,500回 500 – 625 10% 3,750~4,700回 375 – 470 (引用:Battery University)
これらより、放電深度が小さいほど、バッテリー劣化を防ぐことができますが、毎日深度10%~30%しか使用できないのは現実的でなく、深度40~60%間での充放電を繰り返すほうが、バッテリーにも比較的優しく、実用性も確保した充電方法と言えます。その際、フル充電するのではなく、最大80%最小20%の間で充電するようのがよいとされています。
バッテリー交換のタイミング
すでにご紹介しましたとおり、バッテリー劣化を進める使い方はできるだけ避けるようにしてください。それでも経年劣化により交換時期は必ず来ますので、iPhoneの場合は、バッテリー容量が82%で交換推奨メッセージが表示されたら交換することをおすすめします。
今回私の場合は、容量82%まで低減し、朝フル充電で午後まで持たない状況で、さらにバッテリ膨張を起こしていました。幸い軽微な膨張で、液晶や基板への影響はなく、端末交換となりましたが、下記料金で済むことができました。
万一、液晶や基板に損傷がある場合は、端末交換は当然ですが、本体費用全額負担となりますので、そうならないためにも早めの対応が必要ですね。
【液晶・基板に異常がない場合】
端末本体 | 0円 |
バッテリー費用 | 5,940円 |
技術料 | 2,970円 |
合計 | 8,910円 |
【液晶・基板に異常がある場合】
端末本体 | 41,580円 |
最後に
バッテリー交換は、Apple Store か Apple 正規代理店で、Appleの公式サイトから予約・申し込みできます。私の場合も事前予約でしたので、待ち時間もなく、端末交換ということもあって、約40分ほどで完了しました。実際バッテリ交換でも1時間ほど完了するようです。
バッテリーの最大容量表示を80%目安に早期にバッテリー交換することをおすすめします。
- iPhoneの「最適化されたバッテリー充電」はONにしておく。
- 充電しながらの使用は絶対を行わない。
- 温度変化の激しい・暑い環境下(35℃以上)では使用しない。
- 放電深度が大きいほどバッテリーの劣化が進むので、フル充電(100%)はせず、最大80%最小20%の間で充電する。
- バッテリー膨張による液晶・基板損傷を防ぐため、バッテリー容量が80%まで低減したら交換する。
【引用・参考文献・参考サイト】
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