iPhoneユーザーの大半は、標準ブラウザ「Safari」をデフォルト(標準設定)で使用しています。
ブラウザアプリは、Webサイトが閲覧できれば、十分と思っている方も多いですが、実は意外と知らない便利な機能が搭載されています。
もし、標準設定のまま使っているなら、この記事を一読することで、便利な機能や裏ワザを知ることができ、使い勝手の向上につながります。
この記事では、iOS 14版のSafariのご紹介となります。
(最後にiOS 15ベータ版のプレビューも載せています。)
Safariのツール―バーの構成
Safariを効率的に操作するための「上と下にあるバー」が用意されています。
画面上部には、検索やURLが表示される「アドレスバー」、画面下部には、タブを操作する、ブックマーク・リーディングリストを追加する、サイトを共有する「ツールバー」があります。
アドレスバーの便利機能
アドレスバーには、サイトのURLが表示され、当該欄で検索できるほかに、その左にある「ぁあ」(Webサイト表示時)をタップすると、下記の選択メニューが表示され、各機能が利用できます。
各機能について、順番に解説します。
文字サイズの変更
Safariで表示された文字が見にくい場合には、簡単に文字を拡大または縮小することができます。
下記例では、右側の「あ」をタップすると、拡大し、小さい「ぁ」をタップすると、縮小します。
リーダー表示を表示
Safariには、余計な広告を取り除き、テキストと画像などのみで閲覧できる「リーダー」という機能があります。とにかく余計な広告を消して、文章だけをじっくり読みたい人におすすめです。
ただし、すべてのWebサイトでリーダー機能を利用できるわけではありません。
Safariがリーダー機能を適用できると判断したWebページだけ表示可能です。
表示条件に合わないWebページは、リーダー機能を利用することはできません。
適用できると判断した場合は、Webページが表示される直前に、アドレスバー欄に「リーダー表示を使用できます」という文言が表示されます。
実際のリーダ機能として、AppleのHPは、リーダー表示が利用できないサイトなので、他のサイトで表示例を見てみましょう。
広告のあるページの左にある「ぁあ」をタップします。
選択メニューの「リーダー表示を表示」をタップします。
すべての広告が消えて、文字と画像のみとなり、読みやすくなりましたね。
ツールバーを非表示
選択メニューの「ツールバーを隠す」をタップして、上部のアドレスバーを小さくして、下部のツールバーを消すことで、上下のスペースが広くなり、Webページを快適に閲覧できるようになります。
画面上部のアドレスバーと下部のツールバーが非表示となり、ページの縦幅が広くなり、見やすくなりました。
また、上部の小さくなったアドレスをタップすれば、簡単に元に戻すことができます。
デスクトップ用Webサイトを表示
デバイスの種類に応じて、表示するWebページを変えるしくみを採用しているWebサイトに適用できる機能で、すべてのWebサイトで利用できる機能ではありません。
デバイスの種類ではなく、画面サイズに応じて同じページを異なるデザインで表示するレスポンシブデザインを導入しているサイトは、デスクトップ用表示に切り替ることはできません。
Yahoo! JAPANのサイトが、デスクトップ用表示に切り替え可能なので、その手順を見て行きましょう。
モバイル用Webサイトの表示ページ左上(デザインバー)にある「ぁあ」をタップします。
選択メニューの「デスクトップ用Webサイトを表示」をタップします。
モバイルサイトに限定した機能しか使えない場合は、デスクトップ用Webサイトに切り替えて利用すると便利です。
Webサイトの設定
選択メニューの「Webサイトの設定」をタップして、今見ているサイトの個別設定ができます。
Webサイトごとに、Webサイト表示の切り替えや自動的にリーダー表示する機能を個別に設定することができます。トグルボタンをONにして設定します。
また、すべてのWebサイト閲覧時に適用するには、「設定>Safari>WEBサイトの設定」で設定できます。
画面上部をタップで先頭に戻る
縦に長いサイトを下の方まで閲覧した後、素早く先頭に戻りたいときは、スワイプでスクロールするか、スクロールバーを押さえながらスワイプしてもいいが、それ以外の方法として、画面上部のステータスバー(時計やアンテナピクトが表示されているエリア)をタップ(ツールバーを隠している場合はダブルタップ)することで、簡単に先頭に戻ることができます。
タブの便利機能
ここでは、開いたページの前後に戻る左下の< >ボタンと右下の
(タブ)ボタンの使い方を解説して行きます。
開いた複数ページの前後に移動
Webページのリンクをクリックすると、通常、同一タブに上書きされるように、リンク先が表示され、開いた複数ページの前後に移動する場合は、「<」「>」ボタンを繰り返しタップすることになります。
この方法は、開いたリンク先ページが少ないと、特に問題ないですが、いくつものリンク先を開いていると、目当てのページに移動したい場合には、「<」「>」ボタンを何度かタップすることになり、結構面倒です。
そんなときは、次に解説する、別タブを開いておくと、見たいページにダイレクトに移動することができて便利です。
リンク先を別タブで開く
別タブで開くには、「新規タブを開く」と「バックグラウンドで開く」の2つの方法があります。
「新規タブで開く」は新たに開いたタブが前面に表示され、すぐに見たい時に便利です。
一方「バックグラウンドで開く」は、新しいタブは開きますが、「新規タブを開く」とは違って、前面には表示されず、裏側(バックグラウンド)で開いて行きます。
とりあえずリンク先サイトを「バックグラウンドで開く」で開いておくと、後でまとめて見たい時に便利です。
別タブで開く設定方法
Safariのデフォルト設定は、「新規タブを開く」となっていますが、「バックグラウンドで開く」場合には、下記の通り「設定>Safari>タブ>リンクを開く」で設定変更します。
「新規タブを開く」と「バックグラウンドで開く」の2つの方法を選択することができます。
2つのいずれの方法も、リンク先を「長押し」することで、リンク先を別タブで開くことができます。
新規タブで開く
Webページのリンク先を「長押し」することで、下記の選択メニューが表示され、「新規タブを開く」をタップすることで、リンク先を別タブで開くことができます。
新規タブで開かれたリンク先のページ右下の (タブ)ボタンをタップすると、新規タブが追加されていることが確認できます。
バックグラウンドで開く
Webページのリンク先を「長押し」することで、下記の選択メニューが表示され、「バックグラウンドで開く」をタップすることで、リンク先を別タブで開くことができます。
「バックグラウンドで開く」をタップすると、リンク先の文字(見本では「購入 >」)が上に飛んで、ページの右下の (タブ)ボタンに入るアニメーション付きで、バックグラウンドにタブ追加できます。
バックグラウンドで開いたリンクページは、ページ右下の (タブ)ボタンをタップして、複数のページを確認でき、目当てのページに移動することができます。
開いたタブを一括して閉じる
「Safari」は、Webページを「タブ」として、複数開くことができます。
タブはページ数の制限なしに開くことができるので、ブックマークから開くのが面倒だから、あるいは、複数のサイトを比較して見たいから、複数のタブを開いたままにして増え続け、気が付けば、数十ページのタブとなり、「ひとつひとつ閉じてられない!」と嘆いている方が意外と多いのではないかと思います。
そんなときは、簡単にタブを一括して(まとめて)閉じる(削除する)ことができます。
ページ右下の (タブ)ボタンを長押しすることで、バックグラウンドで開いているページを一括して閉じることができます。
また、ページ右下の (タブ)ボタンをタップして、複数のページを表示させて、「完了」を長押しすることで、開いているページを一括して閉じることができます。
閉じたタブを再表示
複数のタブを開いていると、誤って閉じてしまって、再度閉じたサイトを開きたい、また、過去に見たサイトをもう一度見たい時には、ページ右下の (タブ)ボタン をタップして、タブ一覧の下中央にある
ボタンを「長押し」すると、「最近閉じたタブ」の履歴(リスト)が表示されるので、この中から再度見たいサイトを選択することができます。
過去200サイトまで選択できるので、下フリックして該当サイト名をタップします。一番下が最新のサイトとなります。
タブにアイコンを表示
タブ一覧でサイト名の横にアイコン(ファビコン(小さなアイコン))が表示されていると、複数のタブから該当サイトを確認するのが容易になります。
Safariのデフォルト設定は、タブにアイコンは非表示となっていて、「タブにアイコンを表示」場合には、下記の通り「設定>Safari>タブ>タブにアイコンを表示」で設定変更します。
共有の便利機能
SafariのWebページを共有したい場合には、ページ下真ん中の
(共有)ボタンをタップすることで、「共有メニュー」が開き、AirDrop、メッセージ、メール、Twitter等で共有先に送信することができます。
(共有)ボタンをタップすると、共有メニューが表示されます。
共有メニューには、過去にLINEやメッセージなどをやりとりした人のアイコンを表示する「共有時の提案」があります。
iOS14から「設定>Siriと検索>Siriからの提案>共有時の提案」により、共有時の提案をドグルボタンでON・OFFすることができます。
iPhoneを仕事とプライベートで共有している場合には、プライバシーを保護するために「共有時の提案」をOFFにすることをおすすめします。
ブックマークの便利機能
iPhoneやiPadのSafariでよく利用するWebサイトやとっておきたいページは、「ブックマーク」に登録しておくと次回閲覧する時に便利です。
iPhoneやiPadのSafariでよく利用するWebサイトやとっておきたいページは、「ブックマーク」に登録しておくと次回閲覧する時に便利です。
ブックマークに登録しておけば、Webサイトをいちいち検索する必要がなく、そのブックマークをタップするだけで、いつでもそのページにアクセスすることができます。
ブックマークを追加・お気に入りに追加
SafariのWebページをブックマークしたい場合には、ページ下真ん中の (共有)ボタンをタップして、下記「共有メニュー」が開いたら、「ブックマークを追加」をタップして追加します。
Webサイトは、「ブックマークを追加」よりも、最初から「お気に入りを追加」にして、登録した方が使い勝手がよさそうですね。
リーディングリストに追加
Safariの「リーディングリスト」とは、Webページのデータを保存して、後から読み返せる機能で、その特長は、オフラインでもWebページを閲覧することができます。
SafariのWebページをリーディングリストに追加したい場合には、ページ下真ん中の (共有)ボタンをタップして、下記「共有メニュー」が開いたら、「リーディングリストに追加」をタップして追加します。
ブックマーク・リーディングリストから閲覧
ブックマークやリーディングリストを閲覧するには、ページ下右2番目の (ブックマーク)ボタンをタップします。
(ブックマーク)ボタンをタップすると、ブックマークの一覧が表示され、登録したWebサイトを閲覧することができます。
(ブックマーク)アイコンの右の
(メガネ)アイコンをタップすると、リーディングリストの一覧が表示され、登録したWebサイトを閲覧することができます。
履歴から閲覧
(ブックマーク)アイコンの一番右の「履歴」(時計)アイコンをタップすると、履歴の一覧が表示され、過去に見たWebサイトを閲覧することができます。
タブの便利機能(閉じたタブを再表示)で解説した、ページ右下の (タブ)ボタン をタップして、タブ一覧の下中央にある
ボタンを「長押し」して「最近閉じたタブ」の履歴(リスト)を確認することもできます。
最後に
今年2021年9月にリリース予定の「iOS 15」で、「Safari」のデザインが変わります。

iOS15のSafariでは、URL・検索等のアドレスバーやタブなどのツールバーが画面下部にまとめて表示されるようになり、スクロールすると表示が消え、Webページの表示領域がより広くなるようです。
音声検索にも対応し、Siriを呼び出すことなく、スムーズに検索することもできるようで、また、Mac OSでは、お馴染みの Webブラウザ自体の機能を使いやすくしたり、見た目を変更したりするなどの「拡張機能」も追加されるようです。
iOS 15リリース後、このブログでも、iOS 15の概要やSafariの新機能をアップデートして、ご紹介して行きますので、乞うご期待ください。
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